[PHP-dev 800]mbfilter/mbregexのライセンス問題について

Rui Hirokawa rui_hirokawa @ ybb.ne.jp
2003年 6月 21日 (土) 01:08:36 JST


廣川です。

話を整理するためにスレッドを新たに起こします。

mbfilter/mbregexに関するライセンスの問題についてですが、
私は著作権者の権利が守られるべきだと当然思います。
ただ、意見の流れが少しわかり難くなっていると思いますので、
これまでの経緯も含めて整理してみたいと思います。

まず、PHP3では実質的に日本ローカルで配布され、
PHP4で塚田さんが独立したモジュールjstringとして配布されていた
コードをベースにmbstringとしてPHP 4.0.6以降本家のソースコードに
マージされたことは皆さんもご存じのことかと思います。
この後、マージしたライセンスのコードがGPLに基づいていた関係で、
PHPライセンスと互換性がなく、著作権者にお願いしてLGPLに変更して
頂きました。

私が著作権者の意志を(勝手に)類推すると、自らが作成した
有益なソフトウエアが広く使用されることが公益を生むと考えて、
公開をされたと考えます。
もちろん、ここでは著作権者の権利が守られるという前提があります。

PHP3の時には、PHP自体がGPLで配布されていたため、
国際化版PHP3がGPLで配布されていたのは当然のことだと思います。

一方、PHP本体の方は、
PHP4になる時により自由で制約の少ないBSDライクなライセンス
に移行することがビジネス利用も含めてコミュニティの拡大に
とって望ましいと考えられ、ライセンス変更が行われたのだと
思います。

PHPで日本語を始めとするマルチバイト文字を使用する場合、
mbstringはなくてはならないモジュールです。
文字コード変換エンジンとして性能/安定性に優れるmbfilterの有用性
も明らかでしょう。

ソフトウエアは進化するものですから、使用するライブラリを切替えるのも
1つの方向ですが、これはライセンス上の問題によるよりも、
機能/性能上の利点がある場合の選択肢かと思います。

一方、より自由度の高いライセンスへの変更は著作権者の元来の
意志が上記のようなものであり、変更により、より広く使用されることが
その意志にそうものであるならば、自然な選択肢と言えると思います。

ということで、現在の問題を今後のマルチバイト圏でのPHPのさらなる
発展という目的のもとに自然で有意義な解決策を考えるということで,
PHPユーザ会ないしはコミュニティの声として、以下を提案する
ということでいかがでしょうか?
特に異論がなければ下記のお願いを実際に行う時には私がとりまとめを
いたします.

1.mbfilter("streamable kanji code filter and converter")
の現在のライセンス保有者である「アクセンス・テクノロジー社」に
対して自由なライセンス(BSDライクなライセンスが有力候補となるでしょう。)への
変更を依頼する。
(この際,「アクセンス・テクノロジー社」の労力を削減するためにBSDライクな
ライセンスの英文案を依頼時に掲示しても良いと思います。)
同時にPHP4マージ前からコードを提供されている塚田氏に対しても
再度ご了解頂くことを考えます.

2.(要すれば,)前記1の許諾の後、mbfilterの主な派生コードの作者に対して、
上記ライセンス変更を通知する。具体的には,CVSのログに含まれるコミッタに
対するものになり,小泉さん,Wez氏等が対象です.
  LGPLでもBSDライクなライセンスでも派生コードの著作権は
それぞれの作者にあると思いますので、この時点で異義がある場合には、
個別に交渉することになります。しかし、BSDライクなライセンスを
採用するPHP4にマージされた後に追加されたコードであるため,
実質的にLGPLからライセンスを変更することに問題があるとは思えません.

一方、
mbregexに関してはコードの内容が非常に難解であり、改良の方向性も
見えないため、もし、鬼車というライブラリがマルチバイト正規表現に
関して現在の実装よりも有益な機能を提供できるならば、
過去の実装とのユーザレベルの互換性が提供できることを前提に
移行しても良いと思います。
現在の実装は、Rubyのコードに基づいていると思いますが、
Ruby自体も鬼車ベースに移行するということですし、移行は進化の方向として
正しい方向と思います。


-- 
Rui Hirokawa <rui_hirokawa @ ybb.ne.jp>


PHP-dev メーリングリストの案内